市民とつくる給水しやすい街づくり:オホーツクと名古屋の挑戦
私たちmymizuは、地域に根ざした給水文化の推進を全国の自治体と共に広めることを目指し、「mymizu自治体アライアンス」をいうイニシアティブを実施しています。
その中でも、特にユニークなアプローチで注目を集めているのが「オホーツク総合振興局」と「名古屋市」の取り組みです。両自治体に共通するのは、mymizuアプリを活用して市民と共に給水をモニターし可視化ていく取り組みです。
一定の期間、市民自身が毎日マイボトルを使って、自宅や地域の給水スポットを使いながら進めるこの活動は、マイボトル生活を習慣化しながら、さらに地域の給水環境の改善を図ります。
これまではmymizuが運営をサポートする「mymizuチャレンジ」として企業や学校と実施してきましたが、自治体が単独で運営を行うのは初めてのことです。
オホーツク:広大なエリアでの草の根的モニター活動
知床国立公園の世界遺産20周年を記念し、給水をきっかけとした環境保全プロジェクト「オホーツク知床mymizuプロジェクト」が実施されました。
そのメインプロジェクトとして行われたのが、オホーツク総合振興局の斜里町を始めとした管内住人との「給水モニター事業」です。多数の応募の中から選ばれた、50人の住民と共に6ヶ月(mymizuチャレンジ史上最長!)に渡るマイボトル生活がスタートしました。
参加者には地域の人気キャラクター・知床トコさんとのコラボレーションボトルが配布されました。
参加者は毎日、自宅や外出先でマイボトルにお水やお茶などを給水し、その回数と量をmymizuアプリに記録していきます。そして月に一度、アプリに記録されたデータを振興局の担当部署に共有。
半年の間に、地域のサステナブルイベントなどもあり、自治体担当者や参加者間でのゆるやかな繋がりも生まれたといいます。
知床サステナブルフェス2024
結果、モニターを開始した夏から、季節の移り変わりを経てゴールを迎えた2月には、参加者全体で8853本のペットボトル、さらに2.9トンのCO2の削減に成功しました!
参加者1人あたりが、毎日およそ1本のペットボトルを削減した計算です。
斜里町の道の駅に新設された給水スポット
広大な斜里・知床エリア。どうしても地方に行くほど給水スポットが少ないという課題も明らかになる一方、mymizuの戦略的パートナー協賛を得て、道の駅やコワーキングスペースなど、新たに3つの給水スポットが誕生!
プロジェクト開始前と比較して、給水スポットが150%増加(19→30ヶ所)しました!今後も地域に呼びかけながら給水スポットの充実を目指していくそうです。
「オホーツク知床mymizuプロジェクト」では、地域の応援団参画企業からの寄付金を活用しながら、mymizuアプリを使った給水モニターに留まらず、「流氷」で知られる知床エリアのオーバーツーリズム対策・持続可能な観光推進にも役立てられています。
給水をきっかけに、地域の給水環境の充実、また観光地としての価値向上に繋げる素晴らしい事例です。
名古屋市:都市ならではのデータ活用とさらなる普及へ
名古屋市は、Reduce・Reuseを推進する市民・事業者・行政の協働組織である「2R推進実行委員会」と共に、都市の多様なライフスタイルにどのように給水を取り込んでいくかを検証、また給水スポットの利用を促すことを目的に、市民との給水モニターを実施しました。
暑さが和らぎ、街を散策したくなる10月・1ヶ月間の給水モニター参加者募集に対して、10代〜70代以上の幅広い層から399人もの応募があったということです。
最終的に約半数から結果報告があり、約6,341本のペットボトル、また約2,112キロのCO2が削減されました。
さらに名古屋市では、モニターの実施前と後で細かなアンケート調査を実施しています。
例えば、マイボトルを「いつも持ち歩く」という人は56%→71%に増加。
ペットボトルの購入頻度は、週に1回以上購入する人が55%→22%にまで減少。
また名古屋市ではおよそ150ヶ所の無料の給水スポットがあり、名古屋市ホームページ上には無料給水スポットの他、マイボトルに飲料を入れて提供してくれるお店のリストも表示しています。
名古屋市内の給水スポット
一方で、アンケートの結果から無料給水スポットなどについて知らない人が7割に上り、まだまだ多くの市民に知られていないという課題も明らかになりました。
これらの結果は名古屋市の担当部署によって分析され、スポットの認知向上のための工夫や、今後市内でさらに給水を広めるための施策に活用されます。市民の行動データをベースにしたこの取り組みは、都市型の循環社会の構築に向けた一歩といえるでしょう。
「使う人」と一緒につくる未来
オホーツクと名古屋、それぞれ異なる地域性を持つ中で共通しているのは、「市民自身が変化を生む担い手となる」こと。給水モニターは、単なる利用調査ではなく、地域の未来を一緒にデザインするアクションでもあります。
私たちmymizuは、こうした自治体との共創を通じて、より多くの人がマイボトルを手に取り、身近な場所で給水できる社会を目指しています。今後も全国でこうした動きが広がっていくことを期待しています。
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