白馬の水を守るために―地元中学生の挑戦

 

白馬村に暮らす中学生の楓(かえで)さんは、地元の自然や水を守るための活動を始めました。きっかけは、小学校時代に出会った先生、地域での学び、そしてmymizuとの出会いでした。楓さんがmymizuに連絡をしてくださったのをきっかけに、インタビューの機会を得ることができました。今回のブログでは、そのインタビューで楓さんからお伺いしたお話を紹介します!

左:楓さん 右:陽葵さん

原体験から芽生えた想い

楓さんが環境や防災に関心を持つようになったのは、小学5・6年生のとき。熱心な先生から学んだ防災教育が大きな原体験となりました。
その後、地域に根差した学びの中で「探究的に行動したい」という気持ちが芽生えたものの、なかなか一歩を踏み出せずにいたときに、お母さんからmymizuアプリについて教えてもらったそうです。

「環境問題に興味はあったけれど、行動できていなかった」と振り返る楓さん。転機は2024年11月に白馬村役場を訪ね、現場を知ったことでした。情報環境係のGX推進メンバーの方にも背中を押され、mymizuを広める活動を本格的にスタートすることになりました。

百馬力で広がったアイデアとつながり

通っている中学校にはSDGsサークルがあったものの、あまり活発ではなかったため、楓さんは自ら地域に根差した活動を模索しました。蝶々の保全活動に勤しんでいる友人の陽葵(ひまり)さんを誘い、今年の6月には2人で「百馬力」に参加。「百馬力」は、地域の課題解決や新しいチャレンジを応援するために、白馬村で開かれているアイデアコンテスト。大人も学生も一緒になって、白馬の未来をよりよくするための提案を持ち寄ります。

2人はmymizuの仕組みや、白馬村が2024年からmymizu自治体アライアンスに参加していることを紹介し、「水を誇りに思い、地域みんなで給水の輪を広げていきたい」という想いを伝えました。

当日は、観客からも多くの応援アイデアが飛び出しました。
たとえば——

  • 「白馬×mymizuステッカーを配布して給水スポットに貼る」

  • 「給水するたびにシールを貼るスタンプラリー」

  • 「『mymizuの日』を制定して、年々チャレンジを広げる」

  • 「水の美味しさを体験できる草刈りやイベントと連動させる」
    などなど、子どもから大人までの発想が交わる時間になりました。

ここでの出会いがきっかけで、8月に行われる白馬駅前ストリートフェスへの参加も決まりました!

フェスや学校を通じた発信

8月30日に開催された白馬駅前ストリートフェスでは、mymizuブースを出展。「白馬の水をみんなで守ろう」という思いを込めて、mymizuクイズやSDGsクイズ、給水コーナーを企画しました。

水筒やマイボトルを持ってきた子どもたちはもちろん、フェスで買ったドリンク容器を再利用する人、家からコップを持参した人など、さまざまな形で「給水」が広がりました。とても暑い日だったこともあり、ブースは子どもたちや犬たちの“オアシス”のような場所に。給水を通じて自然と会話が生まれ、「水筒の水がなくなったらどうする?」という質問に対して、子どもたちが一斉に「mymizuを使う!」と答える場面もありました。

さらに楓さんたちは、会場近くのカフェやアウトドアショップにも声をかけ、mymizu給水パートナーへの参加を呼びかけました。「地域のお店と一緒に、白馬をリフィルフレンドリーなまちにしていきたい」という思いが、少しずつ形になり始めています。


さらに、楓さんたちは次のステップとして白馬村内の小学校を訪ねることにしました。「mymizuを使ってもらうには、まず“水筒を持っている子どもたち”に知ってもらいたい」と考えたからです。

9月には、白馬北小学校と白馬南小学校の5・6年生を対象に授業を実施。
「自分や家族はどんな時にペットボトルを使う?」「白馬の水はどこから来るの?」といった問いかけから始まり、白馬の3つの水源や、mymizuの使い方、そして「給水で世界を変える」というメッセージを伝えました。

子どもたちはクイズや質問に積極的に手を挙げ、真剣に話を聞いてくれたそうです。授業後には「おうちの人にもmymizuのことを話す!」と嬉しそうに話す姿も見られました。実際に、家族が営むレストランや宿泊施設で「mymizuの給水パートナーになりませんか?」とポスターを渡してくれた子もいたそうです。


ともに育ってきた自然を守りたい

楓さんが活動を続ける原動力には、白馬で過ごした自然豊かな日々があります。冬はスキーのある生活、夏には登山に湖での水遊び…。

「地球温暖化が遠い話だと思われてしまいがちだけど、今ある自然が失われて、未来の子どもたちが自然の中で遊べなくなるのは嫌なんです」と語ります。

親御さんがプレゼンの前日に一緒にスライドを直してくれたり、mymizuを広めて一緒に給水するようになったり、妹さんがmymizuを宣伝するためのポスターを作ってくれたりと、家族や友人など周囲の支えも楓さんの活動の力になっています。

「これからの目標は?」という質問に、楓さんは「まず村民にmymizuを知ってもらいたい」と答えます。毎年5月に行われる「塩の道祭り」(10kmを歩く地域イベント)では、今年は勇気が出せなかったものの、来年は自信を持って挑戦したいと考えています。

「白馬の人たちが水を誇りに思い、環境への意識を高めて行動を起こしてくれたら嬉しい」と未来を見据えます。

オンラインインタビューの最後に楓さんとmymizuのマレでツーショット!

編集後記

豊かな自然に囲まれた生活を送っている楓さんが持つ、その自然を守りたいという強い意志をオンライン越しでも感じられる時間でした。地域の人々を巻き込みながら一歩ずつ活動を広げている姿が眩しく、希望に溢れています。白馬の澄んだ水を守るために立ち上がった楓さんたちの挑戦を、mymizuはこれからも応援し続けたいと思っています!

 
Mare Kasuga